脳を鍛えてハッピーライフを楽しもう!
■最近「もの忘れ」が増えていませんか?
中高年になると、どうしても「もの忘れ」が多くなってきます。
「あれ、あの俳優さんの名前なんだっけ?」
「この間生まれた〇〇さんのお孫さんの名前は……?」
「昨日の晩御飯、何を食べたかしら?」
「まったく置いた記憶がない場所で探し物を見つけた」
「出かける前に玄関のカギを閉めたかどうか覚えていない」等々。
そんな経験をするたびに、将来自分がどうなってしまうのか、だんだん不安がつのってくることもあるでしょう。
特に、日々決まったことだけをして生活し、行動が何もかも習慣化すると、脳に対する刺激がどうしても少なくなってしまいます。
その結果、脳の機能が衰えていく可能性が高まるのです。
■何歳になっても脳は鍛えられる!
しかし、「もう歳だから仕方がない」などとあきらめないでください。実は脳は、筋肉と同様、年齢に関係なく「鍛える」ことが可能です。
鍛えれば鍛えるほど、脳は若々しさを取り戻していきます。その鍛える方法のひとつが、本書で紹介しているような「脳トレ」を日々行なうことです。
本書には、いろいろなタイプの脳トレ問題が順不同に並んでいます。計算問題、言葉に関する問題、記憶力の問題、さまざまな思い出しクイズ、空間認知能力が必要な図形問題などを豊富にとりそろえています。
これらに取り組むことで、脳のいろいろな部分が刺激を受けて、脳の活性化につながるのです。
こうした問題を考え、解いていくためには、脳の「ワーキングメモリ(作業記憶)」という機能が大切になります。簡単にいえば、記憶や情報を一時的に保持しながら、その記憶や情報を使って解答を導き出すということです。このワーキングメモリの力を使うことで、私たちは日頃から仕事をしたり、学習したり、人とコミュニケーションを取ったりするなど、知的な活動を行なっています。
ワーキングメモリの力は、通常18~25歳くらいがピークで、年齢とともにだんだん衰えていきます。しかし、日頃から脳トレを行ない、ワーキングメモリを働かせ続けることで、機能を改善させていくことが可能です。あきらめることなく、ぜひ前向きな気持ちで脳トレに取り組んでいただきたいと思います。
■脳を毎日刺激し続けることが大事
短い時間でもかまわないので、脳を刺激するトレーニングを「毎日」行なうことが大切です。そこで本書では、うるう年でも使えるように「366日分」の脳トレ問題を用意しました。最低限、1日に1題ずつ解いていただければ、あなたの脳は毎日違った刺激を受けることができます。
1題でもの足りない方は、1日に1ページとか2ページ程度進めていただいてもかまいません。大事なのは、少しずつ毎日続けていくことです。手を動かし、普段書かない文字を書いたり、普段やらない計算をしたり、長い間忘れていたことを思い出そうとしたりして、「脳を刺激すること」がいちばん大切なのです。
問題が解けた瞬間、または解き方がわかった瞬間、あるいは脳の奥のほうから記憶を取り出せた瞬間、私たちの脳は「小さな達成感」「小さな感動」「小さな喜び」を味わうことができます。これが脳にとってとてもよい刺激になるのです。
極端にいえば、仮に答えが間違っていたとしても、普段味わわない刺激を受けることができれば、それだけで脳は活性化します。不正解でも決してガッカリせず、「脳を使ったこと」「脳を刺激したこと」そのものにやりがいを感じてください。脳トレは資格試験ではありませんから、高い点数を取るのが目的ではありません。あくまでも「脳の若々しさの回復」につながる刺激さえあれば、目的は充分果たされていることになるのです。
■篠原 菊紀(監修)
■発行:PHP
■サイズ:A4サイズ