途中で挫折することなく、できなくて諦めることもなく、子どもが最後まで自分でやり抜くことができるようになる、親の言い方・伝え方を日常のシーン別に具体的に紹介します。
「どうしていつも、やりっぱなしかなぁ?」「最後まで集中しようよ……」「毎日毎日、同じことばかり言い続けて、ウチの子、この先、大丈夫かな……」――私のクリニックで親御さんのそんな切実な思いを聞き続けて、四半世紀が経過しました。
その間に「発達障害」は多くの人に知られるようになり、近年では、医師の診断には至らないまでも、その傾向が大なり小なり認められる「グレーゾーン」という捉え方にも注目が高まっています。
発達障害や、発達障害とは診断されていないけれどその傾向がある子どもを持つ親御さんは、「自分で着替える」「片づける」「宿題をする」といった「生活のあれこれ」が、どうしてわが子はうまくできないのだろうと悩んでいます。
「この先、この子、ちゃんとした大人になれるのかなぁ?……」、そんな声も聞こえてきそうです。
本書では、そんな親御さんの心配や不安を解消するために、子どもたちが「やり抜く力」(実行機能)を身につけられるようになるための、ご家庭でできる「ちょっとした工夫」を、具体的に紹介していきます。
PART1ではその概要を、PART2では生活のさまざまなシーンにおける効果的な伝え方や関わり方を紹介します。
また、PART3では、私が考える子育てについて紹介しています。私がいま考える子育ての理想のあり方は、「かわいがる子育て」です。
甘やかすのではなく、かわいがる――その真意が本書でお伝えできれば、うれしい限りです。 (「はじめに」より)
■司馬 理英子(著)
■発行:PHP
■サイズ:A5サイズ